この記事のPOINT
こんな人におすすめ
  • 相続した不動産の相続税を支払う必要があるか確認したい
  • 相続した不動産を売却したい
  • 売却したらどれくらい税金がかかるか知りたい
こんなことがわかります
  • 不動産の相続税の計算方法
  • 相続した不動産を売却したときの税金の種類と計算方法
  • 相続した不動産を売却する手順

「不動産を売る方法・費用がいくらかかるのか分からない」

「相続した不動産(土地・家・マンション)を売却した時にかかる税金が知りたい」

など、不動産は気軽に売却するものではないので売り方を知らない人は多いです。不動産を売るなら費用を抑えたいし、相続税は安くしたいですよね。

結論からいうと、不動産の価値によって売却費用は変わり、税金はいつから不動産を所有していたかで支払う金額は異なります。

ここでは、不動産を売却にした時にかかる相続税・売る際の手続き方法や費用についてお伝えして、土地などを本当に売るべきかどうかの基準にしていただければ幸いです。

相続した不動産の売却を考えている方は、こちらの記事もおすすめです。

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相続した不動産を売却する前の予備知識

相続した不動産を売却する前に、そもそも不動産がどのように相続され、どのように課税評価されるかを知っておくのが大切です。

まずは相続した不動産を売却する前の予備知識として、不動産の遺産分割と相続税の評価についてご紹介いたします。

不動産は相続後に放置すると危険

相続した不動産が遠方であったり、使用目的が決まっていないために放置している方もいらっしゃると思いますが、現地の状況を把握できないまま不動産を放置するのはとても危険です。

なぜなら、不動産を放置することによって知らない間に権利を失ったり、他人に損害を与えて損害賠償責任を負うケースがあるのです。

知らない間に不動産が他人のものになってしまう

他人が自分の土地などを勝手に使用しているのを放置しておくと、あなたの所有権が失われ勝手に使用している他人にその土地の所有権が移ってしまう可能性があります。

民法は、永続した事実状態を保護するため、一定の要件を満たして20年間(または10年間)他人の物を占有し続けた人が所有権を取得するのを認めています(民法162条|取得時効)。

例えば、あなたが相続で得たX土地の隣にAさんが無断で自宅を建てて、Aさんが自宅の敷地としてX土地を平穏に使用し続けた場合、AさんがX土地を自分のものではないと知らず、知らなかったことに過失がなければ10年間で、知っていたとしても20年間で時効が完成してX土地の所有権をAさんが取得してしまいます。

時効の完成を阻止するには?

時効の完成を阻止するためには、調停や訴訟といった法的措置を取らなければなりません(民法147条~156条)。

また、時効が完成した後にX土地を取り戻すのは至難の業となりますので、土地の放置は非常に危険と言えます。

自分には落ち度がないのに損害賠償請求をされる危険性

あなたが相続した土地の植木が強風で倒れて人にケガをさせたり隣家の物を破壊した場合などは、あなたに何の過失がなくても損害賠償責任を負うことがあります。

民法では、土地の工作物等の占有者及び所有者の責任として、このような場合にまずは土地や建物を実際に利用・管理している人(占有者と言います)が責任を負い、占有者に過失がない・占有者がいない場合は所有者が責任を負うことを規定しています(民法717条)。

この際、占有者の責任は過失がなければ免責されますが、所有者の責任については完全な無過失責任とされており、所有者に何の落ち度がなくても免責されることはありません。

したがって、物件の維持管理を放置したために知らないうちに損害賠償責任を負ってしまうケースがないわけではありません。

土地の境界線をめぐるトラブルにも注意

長期間放置されている土地について、隣地との境界をめぐるトラブルが起こる可能性は非常に高いと言われています。

例えば隣地の所有者が境界標を勝手に移動・破棄するようなケース(※このような行為は犯罪ですが、知らずにやってしまう方もいます)もありますし、境界が不明確になっているせいで自分の土地がいつの間にか使用されているといったトラブルも起こり得ます。

境界をめぐってトラブルになった場合も、調停や「境界確定の訴え」という訴訟を提起して法的に解決するしかありません。

このように、相続した不動産は、現地の状況を把握しないで放置しておくのは非常に危険なことなのです。

相続した不動産の遺産分割方法は複雑

例えば相続人が2人いて、1,000万円の価値のある不動産と1,000万円の預貯金があったとします。

この場合であれば、どちらかが不動産を相続し、どちらかが預貯金を相続すればいいということになってあまり大きなトラブルにはならないかと思います。(現実には相続不動産の価値をどう見るかによって揉めることは考えられますが…。)

しかし、相続人が2人いて、4,000万円の価値のある不動産と1,000万円の預貯金の相続の場合や、相続人が3人いて5,000万円の不動産しか相続財産がない場合はどうでしょうか。

このような場合に考えられる遺産分割方法は、下記の3つが一般的です。

換価分割|不動産を売却し、現金化して分割する方法

一番後腐れなく片付けられるのは、不動産を売却して現金化した後で相続人間で分割するという「換価分割」の方法です。

ただし、この方法の場合は、相続税以外に売却による譲渡益がある場合には、その保有期間に応じて長期譲渡所得税か短期譲渡所得税を支払わなければなりません。

代償分割|不動産を相続人のうち1人が単独で相続し、残った相続人に対して現金もしくは分割払いで不動産の価値と同額を支払う方法

先祖伝来の田畑で農業によって生計を立てている場合など、簡単に土地を処分できない場合によく採られる方法が、特定の相続人が財産を相続する代わりに他の相続人へ金銭などを与える「代償分割」です。

代償分割の場合、代償金をもらう側の相続人は、受け取った代償金の中から相続税を納めれば問題ありませんが、代償金を払う側の相続人には、非常に重い負担がかかります。

代償金と自分の相続税については、代償金を支払う側の相続人が自らの収入ですべて賄わなくてはなりませんし、収入には所得税・住民税がかかるので、税金を引いた後で代償金を支払うことになります。

共有分割|不動産を共有登記する方法

この方法の場合は、一旦共有にするけれども近い将来売却するもしくは賃貸して賃料を分割するなど具体的な計画がないと、問題を先送りにするだけとなってしまう危険があります。

ただ単に固定資産税などの経費ばかり支払うことになりかねないので、用途の見通しが立っていない場合は売却してしまう方が良いかもしれません。

相続によって不動産を取得する場合、名義変更が必要になります(相続登記)

相続登記をする際には、登記事項証明書代(1物件あたり600円)、戸籍・住民票・評価証明書代の数千円、登録免許税(固定資産税の1000分の4)、その他実費が必要になります。

相続した不動産を売却したい場合はもちろん、相続した不動産を担保に融資を受ける場合など、不動産の所有権移転や抵当権設定の際には相続登記を済ませておかなければ手続きを進めることはできません。

相続登記に法律上定められた期限はありませんが、将来のトラブル防止や手続き遅延の防止のためにも、早めに手続きを行うのがお勧めです。

不動産の相続税の評価

不動産を相続する場合、時価ではなく「固定資産台帳や路線価」から算出した評価が課税の対象となります。土地の場合、一般的には国税庁が定めた路線価に基づいて、路線価の80%が評価額となります。例えば路線価の評価が3,000万円の土地であれば、相続税での評価額は3,000万円×0.8=2,400万円となります。

建物の場合は、一般的には固定資産台帳に記載している固定資産評価額に基づいて評価され、建築費用の50~60%が評価額となるケースが多いです。例えば建築費用が4,000万円の建物であれば、相続税での評価額は4,000万円×0.5=2,000万円となります。

そして、賃貸による借家権割合で建物の評価額はさらに30%控除されます。上の例で言えば、投資不動産として第三者に賃貸している場合であれば、2,000万円×0.7=1,400万円が相続税の評価額となる計算になります。

この他にも、「小規模宅地の特例」という敷地の種類による限度面積の部分に対する評価額の減少も利用できる場合があります。

不動産を売却した際の税金との関係

不動産を売却した後で問題になるのが税金の計算です。相続した不動産を売却すると、「相続税・所得税・住民税」の3つがかかってきます。

このうち、相続税は不動産を売却する時期にかかわらず相続開始から10ヵ月が申告期限となり、所得税は売却した翌年の2月16日~3月15日が納期限で、住民税は所得税の申告後5月に納付書が送付されてきます。

住民税は4期に分けて支払いができますが、相続税と所得税は申告期限までに支払う必要があります。

そして、確定申告はまとめてできないため、名義人が複数いる場合(共有不動産を売却した場合)にはそれぞれ収入と経費を計算して行わなければなりません。納税額の計算も個々に行われるので、税金の支払いも別々になります。

相続税

被相続人から財産を相続した場合、その額に応じて相続税の支払いを課せられることになりますが、相続税の申告は被相続人が死亡したことを知った(相続が開始したことを知った)翌日から10ヵ月以内に行うのが原則です。

相続不動産を売却して譲渡益(売却利益)が発生した場合には、譲渡所得税も申告によって納めなければなりません。相続税に加えて譲渡所得税も支払うとなると、税金の二重取りをされているように思えるかもしれませんが、ご安心ください。

相続税を支払った場合には譲渡所得税を軽減できる特例として、相続税申告期限の翌日から3年以内に相続不動産を売却した場合に限り、相続税の一定額を取得費に加算できる「相続税の取得費加算の特例」が認められています。

【関連記事】
土地の相続税と計算方法|今からでも間に合う節税の知識

税金の計算方法

譲渡所得が分かったら所得税住民税を計算しますが、譲渡所得は所有期間によって2つに区分され税率も異なります。

  所得税率 住民税率 復興特別所得税
(H25~H49年まで)
合計税率
短期譲渡所得
(所有が5年以下の場合)
30% 9% 所得税×2.1% 39.63%
長期譲渡所得
(所有が5年超の場合)
15% 5% 20.315%

※相続した不動産の場合、所有期間は相続によって不動産を取得した日からではなく、被相続人がその不動産を取得した日から数えます。

合計税率を譲渡所得に掛け合わせたものが税金の合計額になります。

相続した不動産を売却する際の手続き

それでは相続した不動産を売却したいと思ったら何をしたら良いのでしょうか。手続き方法や売却時にかかる費用など、不動産売却の基礎知識をまとめてみました。相続した不動産を売却するには、下記のような手順で手続きを行います。

①遺産分割協議をする

相続した不動産の売却を行うためには、不動産を被相続人(故人)から相続人が取得し、相続人全員が戸籍謄本・印鑑証明書を提出しなければならず、このとき誰か1人でも同意しない人がいると手続きを進めることはできません。

そこで、遺産分割協議で全員が合意したことを証明する「遺産分割協議書」を作成するのが第一段階となります。この遺産分割協議書は、不動産を売却する際に提出が求められる書類ですが、遺産分割を行わないままでいるとその不動産は相続人全員の共有財産となります。

共有財産は共有者のうち誰か1人が勝手に処分することはできないので、活用する予定のない不動産に関してはできるだけ早めに遺産分割協議を行うことで資産価値の減少も防ぐことができます。

【関連記事】
遺産分割協議は財産分配の話し合い|手続き方法や不動産の分け方
【決定版】遺産分割協議書のひな型|無効にされない書き方と注意点

②名義人を変更する

死んだ人の名義のまま売買をすることはできませんので、遺産分割協議書がまとまったら、不動産の名義を被相続人から相続人へ変更します。これを「相続登記」といい、内容としては「誰がどの遺産をどの割合で相続した」というものを示すための登記になります。

したがって、法定相続分どおりの相続・遺産分割協議による相続・遺言書による相続または遺贈といったケースでの相続登記をすることで、不動産の取得者が故人から相続人へ変更されます。

このとき、相続によって不動産が特定の相続人1人のものになる場合は「所有権移転登記」、共有となる場合は「持分移転登記」も併せて行う必要があります。

現在の不動産の名義人確認は必須

数名で不動産を共有状態のまま相続したケースで、場合によってはひとまず不動産を1人の名義にしておいて、売却後にお金を相続割合のとおり分配するという方法もよく使われています。

ただし、このときに登記済権利証で不動産の現在の名義人を確認しなければなりません。

というのも、相続不動産が亡くなった父名義だと思っていたらとっくの昔に亡くなった祖母の名義のままだった、というケースがよくありますが、この場合は祖母の相続手続きをやり直さなければ不動産の売却ができないからです。

昔の相続をやり直す場合は、相続人でも既に亡くなっている人が出てきたり、代襲相続などが発生してとにかく面倒が多くなります。このような事態を防ぐためにも、相続登記はきちんとしておくのが良いかと思います。

相続人が誰なのかを調査する

上記のようなケースに陥ってしまったら、過去の祖母の相続人にあたる人が誰なのかを調査し、今生きている相続人同士で当該不動産に関する遺産分割協議を行い、その協議書がまとまってからでないと、父の家としての遺産分割はできません。

祖母の相続を片付けてから父の相続としての不動産名義を遺産分割協議で決定した相続人に変更する(=相続登記と所有権移転登記を行う)と、その不動産の売却が可能になります。

共有者全員の承諾と印鑑証明書を得る

数名で不動産を相続した場合は、きちんと共有名義で登記しなければなりません。

共有名義の不動産の全部を売却する場合は共有者全員の承諾と身分証明書・実印・印鑑証明書が必要ですが、共有不動産の一部を売却したい場合には、他の共有者に自分の持分を現金で買い取ってもらったり、土地を分筆したりする方法があります。

【関連記事】
土地の相続に必要な書類・費用をパパっとご紹介!手続きのやり方と流れ

③仲介業者に売却を依頼する

所有権移転登記が済めば、その不動産は新しい名義人が自由に売る・貸す・住むことができるようになります(共有名義の場合は処分等に共有者全員の同意が必要です)。このとき、不動産の固定資産税は新しく名義人となった人が支払います(共有名義の場合は各自の持ち分に応じて負担します)。

不動産仲介業者を探す

不動産を売却する場合、まずは仲介に入ってもらう不動産屋などを探しましょう。この仲介業者選び次第で不動産の売却価格が大きく変わる可能性があるので、複数の業者に見積もりを出してもらったり、口コミ評判などを調べて慎重に検討するのが大切です。

仲介業者を選ぶ際は注意しよう

不動産売却を複数の会社に相談した場合、会社によって査定価格に大きく差がつきます。
ただし、中には契約数を伸ばすため普通では考えられない査定額を提示する業者もあるので、一番高いからといって安易にその業者を選択するのは危険です。

複数の会社に相談している場合には、必ず見積価格を比較し、ある程度は不動産の価値を自分でも把握しておくという姿勢が大切です。

④不動産を売却する

仲介業者が決まったら、いよいよ不動産物件を売り出すことになります。地方の土地は高値で売るのが難しい場合もありますが、それでも維持費や税金などを考えればそのまま持ち続けるよりは売却してしまった方が得、と考える方が多いようです。

地目(ちもく|登記所が判別し認定した土地の用途のこと)が田や畑の土地の場合は、そのまま売却すると売却相手が農家に限られるといったデメリットがありますが、農地転用という方法で宅地や雑種地に地目を変更してから売りに出せばこのようなデメリットを避けることができます。

経験が豊富な不動産仲介業者であれば、売却活動へのアドバイスも期待できますので、よく相談して決めることが大切です。当たり前ですが、無事に売却が済んだら買った人への所有権移転登記が必要になります。

⑤確定申告・納税をする

不動産を売却したときは、分離課税といって他の給与などの所得とは別に計算をする必要があります。ただし、同じ年に複数の不動産を売却・譲渡している場合の不動産同士の合算は可能です。

不動産を売却して譲渡所得(売却利益)が発生した場合は、譲渡した翌年の2月16日~3月15日までに確定申告を行って所得税と復興税を納税しなければなりません。

また住民税もかかりますが、これは確定申告後の5月に納付書が送付されてきますので、到着次第支払うことになります。

売却によって損失が発生している場合には、原則として申告は必要ありません。

不動産の売却時にかかる費用

不動産の売却時にかかる費用は、大きく「印紙税」「登録免許税」「不動産会社等を利用した場合の手数料とその消費税」の3種類に分類できますが、これ以外にも「取得費」や「譲渡費用」などもかかってきます。

印紙税

売買契約書には、記載金額に応じて決まった金額の収入印紙を貼り付ける必要があり、この貼り付けた印紙が納税のしるしになります。1万円未満の取引では印紙税も非課税ですが、1万円未満の不動産はまずないでしょうから、必ず負担することになります。

そして、不動産の譲渡(売買)では平成30年3月31日まで印紙税額に軽減措置があります。

売買契約書の記載金額 軽減措置 本則
1万円から10万円以下のもの 200円(軽減なし) 200円
10万円を超え50万円以下のもの 200円 400円
50万円を超え100万円以下のもの 500円 1,000円
100万円を超え500万円以下のもの 1,000円 2,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 5,000円 10,000円
1,000万円を超え5,000万円以下のもの 10,000円 20,000円
5,000万円を超え1億円以下のもの 30,000円 60,000円
1億円を超え5億円以下のもの 60,000円 100,000円
5億円を超え10億円以下のもの 160,000円 200,000円
10億円を超え50億円以下のもの 320,000円 400,000円
50億円を超えるもの 480,000円 600,000円

なお、印紙税は売買契約を成立させる目的で作成されていれば、文書の名称を問わず課税対象になります。(例:契約金額を変更するための変更契約書等も対象になります。)

ただし、契約変更書等の印紙税は、記載金額が特殊な扱いを受けることになるので、国税庁のホームページを参考に計算してください。

参考:国税庁タックスアンサーNo.7123 契約金額を変更する契約書の記載金額

登録免許税

不動産売買では、必ず所有権移転登記をしますが、通常は買う人が登録免許税を負担し、売買を原因とする所有権移転登記の場合、不動産の価額の1,000分の20が登録免許税となります。

ただし、土地に関しては平成31年3月31までの間に登記を受ける場合は1,000分の15、建物の場合は一定の要件を満たした上で平成32年3月31日までの間に住宅用家屋の取得をして自己の居住の用に供するのであれば1,000分の3という軽減税率が適用されます。

しかし、現住所と登記上の住所が異なる場合の正しい住所への「住所変更登記」や、払い終えた住宅ローンが残っている「抵当権抹消登記」の場合などは、売る人が登録免許税を負担するのが一般的です。

これら2種類の登記は、不動産1つにつきそれぞれ1,000円となるので、土地だけなら1つの土地あたり各種1,000円、土地と建物なら各種2,000円ずつかかるということになります。

仲介手数料とその消費税

土地の売買には消費税はかからず、個人が居住用に所有している建物も事業目的ではないため消費税の課税対象とはされていません。しかし、売買の際に不動産会社等を利用した場合は仲介手数料が発生し、この仲介手数料には消費税が加算されます。

仲介手数料には、売買価格に応じて上限額が決められています。

売買価格 仲介手数料の上限 消費税(8%)を含めた上限
200万円以下のもの 5% 5.4%
200万円を超え400万円以下のもの 4% 4.32%
400万円を超えるもの 3% 3.24%

400万円を超える売買の際は仲介手数料に簡単な計算式(簡易計算式)があり、税込み仲介手数料を求めたい場合は「売買価格の3.24%+6.48万円|(売買価格×3%+6万円)×1.08」で、税抜き仲介手数料を求めたい場合は「売買価格の3%+6万円」で計算することができます。

例えば500万円の不動産を売却する際の仲介手数料を計算すると、下記のようになります。

通常の計算方法:

500万円を①200万円以下の部分、②400万円以下の部分、③400万円を超える部分に分けて計算し、最後にそれらを合計します。

①1万円~200万円以下の部分:200万円×0.054=10.8万円
②200万円~400万円の部分:200万円×0.0432=8.64万円
③400万円~500万円の部分:100万円×0.0324=3.24万円

①+②+③=22.68万円が税込み仲介手数料となります。

簡易計算式の場合:

500万円×0.0324+6.48万円=22.68万円

ここで出てくる「3%+6万円」というのは、①200万円以下の仲介手数5%と400万円を超える仲介手数料3%の差額4万円(2%)と、②200万円を超え400万円以下の仲介手数料4%と400万円を超える仲介手数料3%の差額2万円(1%)、③400万円を超える仲介手数料3%との差額0円(0%)を足した額になっています。

少し理屈が分かりにくいかもしれませんが、上記の計算例でもしっかり数字が合っているように信頼できる計算式なので、是非活用してみてください。

取得費

取得費とは、不動産を買い入れたときの購入代金や購入手数料など資産の取得に要した金額に、その後支出した改良費・設備費を加えた合計額のことをいいます。ただし、建物の取得費は所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算することになります。

相続により取得した不動産の場合には、被相続人が買い入れたときの購入代金や購入手数料などをもとに取得費の計算を行います。また、土地や建物の取得費が分からなかったり、実際の取得費が譲渡価額の5%よりも少ない場合は、譲渡価額の5%を概算取得費として計算することになります。

建物の取得費の計算方法

建物取得費の計算式

建物の取得費=取得価額-減価償却費相当額or原価の額

原価の額の計算式

非業務用建物(居住用)の原価の額=建物取得価額×0.9×償却率×経過年数
※経過年数は、6ヵ月以上の端数は1年とし、6ヵ月未満の端数は切り捨てて計算します。

建物の構造別償却率

木造 木骨モルタル 鉄骨(鉄筋)
コンクリート
金属造
(骨格材の肉厚が

3mm以下の軽量鉄骨造)
金属造
(骨格材の肉厚が

3mm超4mm以下の軽量鉄骨造)
0.031 0.034 0.015 0.036 0.025

譲渡費用

譲渡費用とは、不動産を売却するために支出した費用をいい、仲介手数料・登記費用・測量費・売買契約書の印紙代、売却時に借家人などに支払った立退料、建物を取り壊して土地を売る際の解体費用、地ならし等の造形費用、土地の埋め立て費などが内容となります。

譲渡所得(譲渡益)

不動産を売ったときに利益があれば、それは「譲渡所得」となりますが、所得税や住民税はこの譲渡所得をもとに計算されます。

譲渡所得は、売却した価格から取得費・譲渡費用を差し引いて算出し、この譲渡所得の金額に所得税と住民税がかかる仕組みになっています。

譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)

なお、この計算をしてみて譲渡所得がマイナスになっている(利益が出ていない)場合は、確定申告の必要はなく、所得税や住民税を支払うこともありません。

譲渡所得の特別控除

下記に該当する場合、譲渡所得から引くことができる特例や控除があり、これらを利用することで税額が安くなったりかからなくなったりします。

  使える控除・特例 備考
マイホームなど居住用不動産の売却の場合 居住用不動産譲渡の3,000万円控除  
所有期間10年超の自宅を売却した場合の軽減税率 所得税率10%・住民税率4%へ軽減
居住用不動産を買い換えた場合の特例  
自宅を売却して損失が出た場合の特例  

土地の売却の場合

長期譲渡所得の1,000万円控除 平成21年に取得した土地を平成27年以降に売却する人
平成22年に取得した土地を平成28年以降に売却する人
5,000万円の特別控除の特例 公共事業などのために不動産を売却した場合
2,000万円の特別控除の特例 特定土地区画整理事業などのために土地を売却した場合
1,500万円の特別控除の特例 特定住宅地造成事業などのために土地を売却した場合
800万円の特別控除の特例 農地保有の合理化などのために土地を売却した場合

相続した不動産を売却する際のコツ

以上が相続した不動産を売却するための手続きと税金の処理になりますが、実際に売却するには手間暇が掛かるのも事実です。

ここでは、相続した不動産を売却する際のコツをご紹介いたします。

専門家を利用する

相続問題を扱う専門家は数多くあり、紛争性の高い遺産分割協議は弁護士、相続登記は司法書士、相続税は税理士、不動産の価格判断は不動産鑑定士など、専門家同士でタッグを組んで手続きを行うことも珍しくありません。

これらすべての専門家を利用する必要はありませんが、手続きが難しいものだけ専門家を利用したり、提携してセット料金で処理をしてくれる専門家を利用するというのも賢い方法ではあります。

また、各専門家の無料相談を上手に利用すれば、自力で手続きを行うヒントも得られるかと思います。不動産売却は相続から3年以内に行う方が、税金の面でも資産価値の面でもお得といえるので、悩んでしまったら是非専門家の利用も検討してみてください。

専門業者を利用する

相続した不動産を売却するには相続登記を必ず行わなければならず、通常の不動産売却を行うよりも手続きが多くなります。このような場合は、相続登記から不動産売却までをトータルサポートしてくれる専門業者を利用するのもお勧めです。

特に上記の専門家と提携している業者や実績の多い業者であれば、納得いく売却が期待できます。

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まとめ

いかがだったでしょうか。

相続で不動産を取得することは珍しいことではありませんが、分割協議や税金の処理が難しい場合も多々あります。相続した不動産の扱いに困ったら、売却するというのも1つの手ではないでしょうか。

本記事が、少しでもお役に立てれば幸いです。

相続した不動産の売却を考えている方は、こちらの記事もおすすめです。

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不動産を売却する際は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。しかし、不動産会社ならどこでもいいわけではありません。あなたの不動産を得意とする会社に依頼することが大切です。

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ただし、買い手が付かないような過剰に高い金額になっていないか、注意も必要です。高額査定はうれしいものですが、それに加えて納得のいく根拠を示してくれる不動産会社を見分けることが重要です。

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Q.まだ売却時期が決まっていないが、査定してもらえる?
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Q.住宅ローン完済前だが、売却できる?
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大手9社が登録しており、ヤフーのネットワークを使った売却支援も強力 ソニー不動産、大京穴吹不動産、大成有楽不動産販売、ロイヤルハウジング、ポラスグループ、東宝ハウスグループ、オークラヤ住宅、CENTURY 21、大阪宅建協会 東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、奈良、愛知、札幌市、福岡市

さらに、ご自身の住まいに合わせて、一括査定サイトを組み合わせて利用するのが上手な使い方です。

1つの一括査定サイトで依頼できる不動産会社の数は限られているので、あなたにとって最適な会社がそこだけで見つかるとは限りません。複数の一括査定サイトを組み合わせて使えば、より多くの不動産会社を比較できるようになるので、自分に合った会社が見つかる可能性が高まるでしょう。

以下でおすすめの組み合わせ例をご紹介していますので、参考にしてください。

首都圏や京阪神 政令指定都市などの大都市 比較的人口が少ない地域

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(地域により未対応)

各サイトの特徴は以下の通りです。

国内不動産流通の4割を占める超大手不動産会社6社が運営する一括査定サイト
おすすめポイント
  • 査定依頼件数10万件以上
  • 2017年度、年間仲介成約件数11万件以上
  • 6社合計で約840店舗
利用者数 年間成約件数11万件以上
運営開始年 2016年
提携不動産会社数 6社 ※最大手のみ
最大査定数 6社
対応エリア 全国 ※一部未対応
運営会社 三井不動産リアルティ、住友不動産販売、東急リバブル、野村不動産アーバンネット、三菱地所ハウスネット、小田急不動産
約1,700社との提携で地元・中堅企業まで充実!ユーザー目線に立った各種サポートが豊富で査定時も安心
イエイ
おすすめポイント
  • 悪徳業者を排除する「イエローカード制」を採用
  • 地元・中堅企業まで網羅した約1,700の提携企業
  • 査定後のお断り代行サービスも実施
利用者数 400万人以上
運営開始年 2007年
提携不動産会社数 約1,700社
最大査定数 6社
対応エリア 全国
運営会社 セカイエ株式会社
ヤフーとソニー不動産が共同運営。月間訪問者数約1,100万人Yahoo!不動産に物件が掲載されるので買い手に情報が届きやすい
おすすめポイント
  • Yahoo!JAPANの月間ページビューは約155億
  • 有名・安心の大手企業が多数参加
  • フランチャイズで地元密着企業まで網羅
利用者数 データなし
運営開始年 2015年
提携不動産会社数 9社 ※個別のフランチャイズ店舗は別途
最大査定数 9社
対応エリア 東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、奈良、愛知、札幌市、福岡市
運営会社 ヤフー株式会社・ソニー不動産株式会社