土地の売買契約を結んで売るためには、不動産会社による土地の価格査定から始まり、不動産会社と媒介契約を締結した上で買主との売買条件を交渉する必要があるでしょう。

また、契約時には土地売買契約書をよく見て不利な契約内容になっていないかどうかを確認することも重要になります。

土地の売主は売買契約に至るまでの流れや必要になる費用など、事前に把握しておくべきでしょう。今回は土地売却に関する一連の手続き内容をおさえた上で、土地を高く売るためのポイントをまとめたので是非ご参考いただければと思います。

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この記事の目次

土地売却における一連の流れ|価格査定から契約締結まで

土地売却の流れについて、以下の図にまとめました。不動産会社への価格査定や媒介契約の締結、買主側との価格交渉など、それぞれの場面で注意するべきポイントがあるため、次項以降で個別にて解説していきます。

【STEP①】土地の価格査定|一括査定サイトの利用

土地を売る上で最初にするべきことは、不動産会社への価格査定依頼になるでしょう。不動産の売値は決まった価格ではなく時価(実勢価格)になるため、売主側はより高い評価額で売らせてもらえる不動産会社を探したほうがよいでしょう。

あなたの土地を得意とする不動産会社に出会うことが土地売却の成功のカギ

土地を売却する際は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。しかし、不動産会社ならどこでもいいわけではありません。あなたの土地を得意とする会社に依頼することが大切です。

得意な不動産会社と苦手な不動産会社

では、そのような不動産会社はどのように見つければいいのでしょうか?そこで役に立つのが「一括査定サイト」です。

一括査定サイトを使ってあなたの土地が得意な不動産会社を効率よく探す

不動産の一括査定サイトは、ネット上で自分の土地情報・個人情報を入力するだけで、一度に複数の不動産会社に無料で査定依頼ができるというものです。土地情報をもとに査定可能な不動産会社が自動表示されるので、好みの会社を選んで依頼する、という仕組みです。

一括査定イメージ

不動産会社によって出す査定額はバラバラです。そのため、査定額が出たら金額はもちろん、その根拠も各社に尋ねて比較しましょう。上の図だと、細かい部分まできちんと評価して高額を出してくれているA社に依頼したくなりますね。

ただし、買い手が付かないような過剰に高い金額になっていないか、注意も必要です。高額査定はうれしいものですが、それに加えて納得のいく根拠を示してくれる不動産会社を見分けることが重要です。

このように、一括査定サイトを使うことで、個別に不動産会社に連絡するよりも格段に効率よく依頼できるうえ、各社の比較を通じて、自分に合った不動産会社が見つけやすくなるのです。

なお、まだ売却時期が決まっていなくても査定はしてもらえます。査定結果を見てから、売却時期の検討を始めても問題ありません。

おすすめの一括査定サイトはこの6つ|組み合わせ例も紹介

一括査定サイトは、比較的よく知られているものだけでも30以上。どれを使えばいいのか迷ってしまいますよね。

いえぽーと編集部では、運営歴の長さや利用者数の多さから、信頼できる11サイトをセレクトし、利用をおすすめしています。

そのなかでも、特におすすめなのは以下の6サイトです。

サイト名 長所/弱点 提携不動産会社 対応エリア 利用者数
運営開始年
【おすすめ度】
★★★★★

すまいValue

公式サイトへ
【長所】
・超大手6社のみの参加で安心感抜群
・最大手3社に一括査定が依頼できる唯一のサイト

【弱点】
・人口が少ない地域は未対応の可能性あり
6社
・三井不動産リアルティ
・住友不動産販売
・東急リバブル
・野村不動産アーバンネット
・三菱地所ハウスネット
・小田急不動産
全国
※一部未対応
年間成約件数11万件以上
/2016年
 
【おすすめ度】
★★★★★

HOME4U

公式サイトへ
【長所】
・業界で最も運営歴が長く信頼感アリ
・NTTグループの運営で情報保護も含めて安心

【弱点】
・大手で参加していない会社がある
約1,300社 全国 約700万人
/2001年
 
【おすすめ度】
★★★★★

SUUMO

公式サイトへ
【長所】
・業界トップクラスの知名度を誇るSUUMOに物件情報を掲載できる
・電話番号を入力しなくても査定依頼が可能

【弱点】
・競争相手となる物件もSUUMOには多く掲載されている
約2,000社 全国 非公開
/2009年
 
【おすすめ度】
★★★★★

イエイ

公式サイトへ
【長所】
・「イエローカード制」で悪徳業者を徹底排除
・「お断り代行サービス」など各種サポート体制が充実

【弱点】
・大手で参加していない会社がある
約1,000社 全国 400万人以上
/2007年
 
【おすすめ度】
★★★★☆

イエウール

公式サイトへ
【長所】
・利用者数1,000万人以上は業界No.1
・参加不動産会社数は約1,600社でこちらも業界屈指

【弱点】
・運営歴が浅く、サポートはやや少なめ
約1,600社 全国 1,000万人以上
/2014年
 
【おすすめ度】
★★★★☆

ライフル・ホームズ

公式サイトへ
【長所】
・地元密着型の不動産会社が幅広く参加
・不動産ポータルサイトならではの情報の充実度

【弱点】
・大手で参加していない会社がある
約1,700社 全国 約470万人
/2009年
 

さらに、ご自身の住まいに合わせて、一括査定サイトを組み合わせて利用するのが上手な使い方です。

1つの一括査定サイトで依頼できる不動産会社の数は限られているので、あなたにとって最適な会社がそこだけで見つかるとは限りません。複数の一括査定サイトを組み合わせて使えば、より多くの不動産会社を比較できるようになるので、自分に合った会社が見つかる可能性が高まるでしょう。

以下でおすすめの組み合わせ例をご紹介していますので、参考にしてください。

3大都市圏などの大都市部 それ以外の地域
すまいValue
公式サイトへ

HOME4U
公式サイトへ

SUUMO
公式サイトへ
イエイ
公式サイトへ

イエウール
公式サイトへ

ライフル・ホームズ
公式サイトへ
ポイント ポイント
大都市は大手のカバー率が高いので、「すまいValue」はぜひ利用したいところ。加えて「HOME4U」と「SUUMO」で中堅から地場の実力派も候補に入れる。 1つのサイトで候補に挙がる社数が少ない可能性があるため、提携社数の多い3サイトを組み合わせて選択肢を広げるのがポイント。

ちなみに、首都圏や関西の物件査定であれば、SRE不動産の利用もおすすめです。SRE不動産はソニーグループの不動産会社で、売主のみを担当する「売却エージェント制」を敷いており、100%売主の味方になってくれることから、非常に高い顧客満足度を誇っています。一括査定ではありませんので、上記の一括査定サイトで査定依頼することになった不動産会社にプラス1社、といった使い方もしやすいのが魅力です。

 公式サイトへ
【対応エリア】東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良

一括査定サイトについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

一括査定サイト利用時の注意点

詳しくは上記リンク先の記事で解説していますが、一括査定サイトを利用する際に心がけておいたほうがよい点で、特に重要なものを2つ抜粋して解説します。

ある程度の営業トークは覚悟

一括査定サイト経由で査定を依頼された不動産会社は、自社以外にも査定依頼されている業者がいることを知っています。どの業者もあなたと媒介契約を結びたがっていますので、一生懸命自社と契約する利点をアピールしてくるでしょう。つまり、ある程度の営業トークは覚悟しておいたほうがよいということです。

当サイトでご紹介している一括査定サイトは、登録する不動産会社を厳選していたり、悪質な不動産会社を締め出すシステムを構築したりしています。ただ、もししつこく営業電話がかかってきたり、ネットで悪評が目立ったりするような不動産会社があれば、その業者と契約するのは避けたほうが無難です。

机上査定である程度会社を絞ってから訪問査定を依頼する

まずはネット上で入力した情報をもとに査定をしてもらえる「机上査定」を利用し、相場を把握してみるとよいでしょう。

そのなかから、査定額が希望に合っていたり、対応が良かったりした不動産会社をいくつか選び、実際に現地を見てもらう「訪問査定」を依頼するといいでしょう。余裕があるならより多くの会社に訪問査定してもらっても問題ありませんが、負担にならない程度に収めましょう。

【STEP②】媒介契約締結|不動産との契約方法は3種類ある

不動産会社へ土地売却の仲介を依頼する際には、媒介契約を結ぶ必要があります。

媒介契約は以下の通り宅地建物取引業法にて規定されていますが、具体的には3種類の契約方法に分かれます。

(媒介契約)

第三十四条の二  宅地建物取引業者は、宅地又は建物の売買又は交換の媒介の契約(以下この条において「媒介契約」という。)を締結したときは、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した書面を作成して記名押印し、依頼者にこれを交付しなければならない。

引用元:「宅地建物取引業法 第34条の2

専属専任媒介契約|全ての販売活動を特定の不動産会社へ依頼

専属専任媒介契約は名称通り、特定(1社)の不動産会社しか依頼できない形式の契約であり、依頼主(売主)は自分で買主を探すことができず、全ての販売活動を不動産会社へ任せることになります。

専任媒介契約|特定の不動産会社へ依頼+売主の自己発見取引も可能

専任媒介契約は上記の専属専任媒介契約と同様に、特定の不動産会社しか依頼できませんが、依頼主は自分で買主を探すこと(自己発見取引)が認められています。

一般媒介契約|複数の不動産会社へ依頼+売主の自己発見取引も可能

一般媒介契約は、2社以上の不動産会社への仲介を依頼できる契約形式です。また、依頼主による自己発見取引も認められているため、最も契約条件の幅が広いといえるでしょう。

それぞれの媒介契約方法の比較

3種類の媒介契約内容の詳細をまとめた表を以下で記載しました。売主が希望しない限りは基本的に専属専任媒介契約か専任媒介契約が選択されますが、各不動産会社の動きや対応能力によって売買価格が変わるため、仲介依頼する不動産会社を慎重に選んだ方が良いでしょう。

一般媒介契約では複数の不動産会社を併用できるメリットはありますが、専任媒介契約(または専属専任媒介契約)と比較して不動産会社のサポートが劣ると思われます。

ですが、専属専任媒介契約等で最初に不動産会社と契約を結び、3ヵ月の期間を経て1社だけでは不安だと思ったら一般媒介契約に切り替えて複数社での仲介依頼をすることもできるため、状況に応じて契約形式を使い分けることも効果的です。

  専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
他業者(不動産会社)への依頼 不可 不可
自己発見取引 不可
契約有効期間 3ヵ月 3ヵ月 期間制限なし
依頼主(売主)
への報告義務
1週間に1回以上 2週間に1回以上 報告義務なし

各媒介契約については、以下の記事でそれぞれ詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。

【関連記事】
専属専任媒介契約の基礎知識|メリット・デメリットは?選ぶべき人は?
専任媒介契約とは|その他の媒介契約との違いと解約の注意点
一般媒介契約はどんな人に向いている?特徴を理解して正しく選ぼう

【STEP③】土地売買契約の交渉と締結

不動産会社と媒介契約を締結した後は、不動産会社による営業活動を通して見つけた買主との交渉や、土地売買契約の内容を取り決めするための手続きへと移行します。

売り出し価格の設定や書類での手続きにおいて難しい面もありますが、正しい対応方法を覚えておくことで売主にとって有利な条件で売買契約を結べるため、注意点をよく確認しておきましょう。

買主との交渉|購入希望価格と売り出し価格の調整

買主との交渉ではあらかじめ設定した売り出し価格が重要になり、基本的には査定価格よりも多少高めの価格を提示すべきだとされています。なぜなら、買主との交渉では多くの場合、値下げに応じる必要があるからです。

ただし、売り出し価格を高くし過ぎても購入希望者が現れる可能性が低くなり、売買までの期間が長くなるデメリットがあります。したがって、値下げ込みになる買主側の購入希望価格の参考に、売り出し希望価格の調整を慎重に行った方が良いでしょう。

売買契約の内容取り決め|土地売買契約書など必要書類の確認

売主と買主の双方で売買契約の内容について合意を得て売買価格が決まった段階で、仲介役になる不動産会社が土地売買契約書を作成することになります。

土地売買契約書は土地の売買契約を提携津する際に必要な書類であり、売買価格のほか支払い条件や手付金(売買契約解除する時のための保証金)の条件、土地面積に応じる売却代金の査定方法など重要な条件が記載されているため、売主は署名する前に細かく目を通すべきでしょう。

土地売買契約書については、土地売買契約書の書式例|売却時にチェックするべき記載事項まとめ」で詳しく解説しています。

所有権移転登記の手続き|司法書士への依頼

土地の売買では代金の支払いに加えて、所有権移転の登記手続きをする必要があります。基本的には土地代金の支払い(決済)と同時に所有権移転登記をするべきであり、どちらかが行われないと第三者への所有権移転などトラブルが発生する恐れがあります。

決済と登記を同時にする場合は、所有権移転の登記手続きは司法書士に依頼した方が良いでしょう。契約締結の場にも同席してもらうことになるため、必要書類の確認など事前に司法書士に相談するようにしましょう。

土地売却の際にかかる費用は?

売主にとっては売却価格も重要になりますが、土地売却において支出となる費用も前もって考えておくべきです。不動産への依頼時に発生する仲介手数料をおさえる方法と併せて、手数料や税金などの費用を以下で確認していきます。

不動産仲介手数料|取引額に応じて上限額が規定されている

土地売買の媒介契約を結ぶ不動産会社には仲介手数料を支払う必要がありますが、以下表の通り限度額が設定されています。たとえば1000万円で売却する土地について不動産会社による仲介があった場合、最大で30万円(+消費税)の仲介手数料を支払うことになります。

売買価格(消費税を含まない) 仲介手数料限度額(消費税を含む)
200万円以下 売買価格の5%以内(+消費税)
200万円超 400万円以下 売買価格の4%以内(+消費税)
400万円超 売買価格の3%以内(+消費税)

参考:宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額 (国土交通省)

不動産仲介手数料を抑える方法

仲介手数料をおさえるためには仲介の依頼段階で不動産会社へ交渉するべきですが、一つポイントとして、買主側と同じ不動産会社を利用した方が仲介手数料の値引きに応じてくれる可能性が上がります。

買主と売主が別々の不動産会社を利用するより、共通の不動産会社を利用した方が不動産会社にとって入ってくる仲介手数料が単純計算で2倍になるため、仲介手数料の値引きには対応しやすいでしょう。

仲介手数料についてさらに詳しく知りたい方は、「不動産売却時の仲介手数料の仕組み|早見表と計算例で金額がスグわかる」をご覧ください。

一括繰上げ返済手数料|融資を受けた場合に支払う

また、土地を購入した時に銀行などの金融機関より融資を受けていた場合、売却する際にはローンの残債を一括繰り上げして返済する必要がありますが、その時に3,000円~5,000円程度の一括繰り上げ返済手数料が発生します。

税金の支払い|印紙税や固定資産税など

ほかにも土地売買では土地売買契約書の作成で支払う収入印紙(印紙税)や、固定資産税などの税金も支払う必要があるでしょう。固定資産税では所有権が移転しても、納税者は1月1日時点での所有者で指定されているので売主が支払うことになります。

参考:土地売買契約書の印紙税|国税庁

土地の売却で損をしないために心掛けておくべき3つのこと

土地売買契約の締結までの手続き方法と費用について一通り解説しましたが、売主が土地の売却で損をしないためのポイントを改めて確認していきましょう。

依頼する不動産会社が信頼できるかどうかを見極める

土地の売値や契約条件は依頼する不動産会社によって変わるため、質が高く信頼できる不動産会社選びが重要になります。具体的な判断のポイントとしては、

  • 提示した査定金額に明確な根拠を説明してくれる
  • 適切な理由のある売却価格を提案してくれる
  • 仲介手数料など媒介契約時におけるデメリット面もきちんと伝えてくれる
  • 媒介契約後も物件状況などの情報を定期的に報告してくれる

などが考えられます。単純に高い売り出し価格で応じてくれるだけでなく、根拠の説明や不動産側の営業活動報告など丁寧な対応が信頼できる点になるでしょう。

土地売買契約書の内容に不備がないかどうかを確認する

買主との交渉で土地の売値が確定しても、最終的な契約条件は不動産会社が作成する土地売買契約書によって決められます。

したがって、当事者同士が集まる契約締結日より前に土地売買契約書の内容を確認する必要があり、売主にとって不利な条件が記載されている場合は指摘するべきです。詳しくは「土地売買契約書の書式例」の記事にて書式例と確認項目(チェックリスト)を取り上げているので、ご参考いただければと思います。

売却時に課せられる税金を軽減できる方法を利用する

土地などの不動産を売却する際に発生する不動産譲渡所得税については、売却目的によって特別控除を受けられる場合があります。

詳細は「土地の売却時にかかる税金の計算方法と節税に繋がる6つの特別控除」の記事で解説していますが、非課税控除を受けられることで多額の節税につながるため、無駄に税金を支払わないための方法をおさえておきましょう。

まとめ

土地売却と流れと併せて、売主が損をしないためのポイントについて解説しました。

不動産選びや売買契約の締結など、それぞれの手続きにおいて気を付けるべきことは多いですが、慎重な対応を心掛けることで売主の望む価格にて土地を売却できる可能性が高くなるでしょう。

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